<2024年1月29日>
妊娠中のママは出産までの約40週間の間で身体面だけでなく、過ごし方も変わっていきます。そのため、ママの状況に合わせたアプローチを行う必要があります。本ページでは妊娠中のママが抱えている悩みや効果的なアプローチ方法などを記載しています。
妊娠期の流れ
妊娠が判明した瞬間から出産に至るまでの期間は、母体と胎児にとって重要な変化が数多く起こる時期です。このプロセスは一般的に約40週間にわたり、大きく分けて妊娠初期、中期、後期の三つの段階に分類されます。
妊娠初期(1〜12週)
妊娠が判明すると、まず妊娠初期に入ります。この時期は、胎児の基礎的な器官が形成されるため重要です。妊娠検査薬による自宅での検査や、病院での血液検査により妊娠が確認された後、初めての産科診察を受けることになります。初診では、超音波検査により胎嚢の確認、妊娠週数の推定、胎児の心拍確認などが行われます。この期間は、悪阻(つわり)に悩まされる女性も多く、栄養バランスの取れた食事、十分な休息が必要な時期です。
妊娠中期(13〜28週)
妊娠中期に入ると、多くの妊婦はつわりが落ち着き、体調が改善されることが多いです。この時期には胎児の成長が著しく、性別が判明することもあります。超音波検査では、胎児の成長具合、異常がないかなどをチェックします。また、妊娠糖尿病のスクリーニングや、血液検査による異常の有無の確認も行われます。妊娠中期は胎動を感じ始める時期でもあり、母子の絆を深める大切な時期です。この時期は、胎児の健康を守るためにも、バランスの良い食事、適度な運動が推奨されます。
妊娠後期(29週〜出産まで)
妊娠後期に入ると、体重の増加や腰痛などの体の不調を感じることが多くなります。この期間は胎児が最も成長する時期であり、出産に向けての体の準備が進みます。定期的な産科診察では、胎児の位置、成長速度、羊水の量などをチェックし、出産方法(自然分娩か帝王切開か)についても話し合われます。また、出産予定日が近づくにつれて、陣痛や出産の兆候を知るための準備教室に参加することも一般的です。妊娠後期は、十分な休息を取りながら、出産に必要な準備を整える時期です。
出産
出産は、陣痛の開始をきっかけに始まります。陣痛は通常、出産予定日の前後に始まり、子宮口の開きとともに進行します。分娩は、子宮口が十分に開いてから赤ちゃんが産道を通って外の世界に出てくるまでを指し、多くの場合、数時間から1日程度かかります。分娩後は、胎盤の排出があります。
妊娠から出産に至るまでの期間は、多くの検査、心身の変化を伴いますが、適切な医療サポートと健康管理により、母子共に安全な出産を迎えます。
※妊娠中は母子ともに大きな変化があり、通院している産婦人科医により適切な指導があるため、上記と違う内容もございます。
妊娠中のママに向けてアプローチするメリット
妊娠中のママに向けて商品体験機会を提供することは、企業にとってもママにとっても多くのメリットがあります。まず、妊娠中のママは新しい生活段階に入るため、新たなニーズや関心が高まる時期です。この時期に商品やサービスを体験する機会を提供することで、企業は直接的に自社の商品の利点を伝え、ブランドの認知度と好感度を高めることができます。
また、妊娠後は判断基準が変わる事もあり、自分だけでなく、家族、あるいは子どもにとって最良になる選択肢を選ぶという思考も生まれるため、商品を実際に体験し、その品質や安全性を確認できる機会は価値があります。実際の体験を通じて商品の信頼性や有用性を実感することで、購入意欲の増加につながります。これは、口コミやSNSを通じたポジティブなフィードバックの拡散にも寄与し、ブランドの社会的証明を強化します。
さらに、体験機会は妊娠中のママが直面する特定の問題やニーズに対する解決策を提供する場でもあります。例えば、妊娠中特有の体の変化に適応した衣服、栄養補助食品、肌ケア商品などを体験することで、ママたちは自身の身体と心の両方のケアができると感じ、生活の質の向上を実感できます。特にママに向けた商品は種類が豊富であるため、体験機会を作っておくことで購入の際の選択肢に入ることができます。
商品体験機会を通じて得られる直接的なフィードバックは、企業にとっても貴重な資源です。消費者の声を聞き、製品開発や改善に役立てることができるため、顧客満足度の向上に繋がり、長期的な顧客関係を築くことが可能になります。
妊娠中のママに対する商品体験機会の提供は、消費者との強い絆を築き、ブランドロイヤルティを高める絶好のチャンスです。信頼と安心を提供することで、妊娠中のママだけでなく、家族全体を顧客として獲得し、長期的な関係性の構築に寄与します。
妊娠中のママの悩み
妊産婦に対するメンタルヘルスケアのための 保健・医療の連携体制に関する調査研究報告書によると妊娠中の悩みは出産回数を重ねるごとに減っていく傾向はありますが、身体のトラブルついて多くの不安を持っているのが分かります。
(出典:妊産婦に対するメンタルヘルスケアのための 保健・医療の連携体制に関する調査研究 )
そのため、ママに対してこういった悩みを解消できるように指導やアドバイスを行っている産婦人科も多くあります。しかし、口頭でのアドバイスまでにとどまってしまうことも多く、悩みを解決できるアイテムをママに提供することは難しいのが実情です。
また、自身の身体のトラブルについての助言を求めている割合が妊娠中は最も高くなります。特に産婦人科ではママから体調不良や健診時などに相談を受けていますので、ママ不安、悩み、トラブルを解決するためのツールを提供することでブランドや商品に対してのロイヤリティを高めることができます。
(出典:妊産婦に対するメンタルヘルスケアのための 保健・医療の連携体制に関する調査研究 )
産婦人科への来院について
妊娠中にママが産院に来院するのは初診や妊婦健診、母親学級、体調不良時などです。その中でも定期的に来院があるのは妊婦健診と母親学級になるため、産前のママにアプローチするのはこのタイミングが適しています。それぞれママに対してどういったことが行われているのかご紹介します。
妊婦健診
妊婦健診は妊娠判明後定期的に産院に来院し妊婦と子どもの検査を行うことです。妊婦健診は義務ではありませんが、妊婦さんと赤ちゃんの健康を守るために、定期的に受診することが強く勧められています。
妊婦健診は、妊娠の経過や胎児の発育状態を確認するだけでなく、妊娠・出産・育児に関する相談やアドバイスを受ける機会でもあります。妊婦健診を受けることで、早期に病気や異常を発見し、適切な治療や保健指導を受けることができます。また、妊婦健診を受けると、母子手帳や妊婦健診補助券がもらえます。母子手帳は、妊娠・出産・育児の記録や情報がまとまったもので、妊婦健診や出産時に必要になります。妊婦健診補助券は、妊婦健診の費用を一部補助してくれるもので、自治体によって補助額が異なります。
妊婦健診の回数や内容は、医療機関や主治医の判断によって異なりますが、厚生労働省では14回分の妊婦健診のスケジュールと内容の例を示しています。妊婦健診では、血液検査や尿検査、超音波検査などが行われます。妊婦健診は、妊娠中の健康管理に欠かせないものです。妊婦健診を受けることで、妊娠期間中を心身ともに健康に過ごし、無事に出産を迎えるための制度です。妊婦健診は同じ医院に定期的に通っているママが多く、医院とママの間で信頼関係が構築できているため、健診シーンで商品を渡すことでママに対して印象をつけられます。
(出典:妊婦健診Q&A)
母親学級・母親教室
母親学級・母親教室とは、妊娠中や出産後の生活について学ぶ場です。妊娠週数が近い妊婦さんたちが集まり、助産師や医師、栄養士などの専門家から指導を受けたり、同じ悩みや不安を共有したりできます。
特に最近出産するママは知人、親など身近な人からの情報やネットから手に入れるなどさまざまな形で知識をつけていますが、専門の人から直接アドバイス・指導を受けられる場として母親学級・母親教室は知られています。さまざまな形態がありますが、身近な母親学級・母親教室3つのタイプがあります。
産婦人科・産院が主催するもの
こちらは出産予定の病院やクリニックで行われるもので、分娩予約をしていれば無料で参加できることが多いです。出産の流れや入院中の注意事項など、施設によって異なる内容を具体的に学べます。分娩室や産後入院する部屋の見学もできることがあります。
自治体が主催するもの
こちらは市区町村の保健センターや公民館などで行われるもので、母子手帳が発行される際に紹介されることが多く、基本的には無料で参加できます。同じ地域に住む妊婦さんたちと交流できるほか、地域のサービスや子育て支援センターなどの情報も得られます。
民間企業が主催するもの
こちらはベビー用品メーカーや育児サポート企業などが主催するもので、イベント会場やホールなどで行われるものです。参加費がかかったり抽選で当たった人のみ参加できたりといった条件はありますが、試供品やノベルティなどをもらえるのが魅力です。
母親学級・母親教室に参加できる時期は、主催しているところによって異なりますが、一般的には妊娠16週以降の安定期に入ってからです。母親学級・母親教室は、妊娠・出産への不安を解消できるとともに、ママ友作りやサンプルのプレゼントなど、メリットがいっぱいの場です。参加は絶対ではありませんが、多くの方が参加する場であり、子どもを持つママ同士のネットワーク作られています。母親教室は形態によりメーカーが参入できない場合もありますが、妊娠中の参加回数も1~3回程度しかないため、このシーンで商品アプローチをすることで強い印象付けになります。
まとめ
産前のママたちに効果的にアプローチするためには、ターゲット層が最も頻繁に訪れる場所やサービスを利用することが重要です。産婦人科は産前のママたちが定期的に通う場所であり、ママにリーチするための最適なルートの一つです。
産婦人科では妊娠中の女性が定期的に健康診断を受けるため、この期間は情報収集にも積極的であることが多いです。この時期に彼女たちに適切な情報やサービスを提供することで、必要としている支援を的確に届けることが可能となります。例えば、妊娠中の栄養管理、出産準備クラス、産後のケアサービスなど、妊娠・出産・育児に関連する情報を提供しています。
そのため、産婦人科を介して提供される情報やサービスは、医療機関からの推奨という形をとるため、信頼性が高いという利点があります。この信頼性は、産前のママたちが情報を受け入れる際の重要な要素であり、効果的なアプローチにつながります。
さらに、産婦人科でのアプローチは、個々のニーズに応じた対応可能です。これによりママたちにとって実際に役立つ情報やサービスを提供し、より強い関係を築いています。
産婦人科は産前のママたちに効果的にアプローチするための重要なルートであり、信頼性の高い情報提供の場として、ママのニーズに応えるための絶好の機会を提供します。
産婦人科からの情報発信、商品提供は産前のママたちにとって価値ある支援として認識されるため、彼女たちの妊娠期間中にロイヤリティを高める場になっています。ぜひ産婦人科で妊娠期のママに向けたアプローチについて弊社にご相談ください。